Tomcat evo

RCRCM社のベストセラー Tomcatの改良版です。美しい楕円翼で手頃なサイズ。あまり弱いコンディションでは厳しいですがスロープでは3m/secぐらいから浮きます。8m/secも吹けば相当走る機体です。参考ですが、カーボンバージョンの主翼サーボKST135MG×4、バッテリーLife2100mAhで飛行重量2120gで組みあがりました。エレベーター(ベルクランク経由)、ラダーのリンケージロッド(2mmカーボン)とアウターパイプはメーカーにて胴体に接着組み込み済みです。

メーカー発表コメント

RCRCMサイトのドイツSansibear シュミット氏の記述抜粋「オリジナルTomcatからの改良点は主翼メインスパーにカーボン補強しF3F、soft DS飛行に際しより頑丈になりました。 上反角を4度から6度にアップして旋回時とウインチ曳航での安定を高めました。主翼にはバラストチャンバーが付き、尾翼はフルフライングから通常型になりました・・・。」

スペック

Wingspan: 2490mm

Length: 1300mm

Wing area: 44.5dm2

Flying Weight: 1800-2000g

Empty Weight: N/A

CG: 93-95 mm from leading edge

Tow hook setting NO

Ailerons YES

Elevator YES

Rudder YES

Flaps YES

Required Radio No less than 6 channels

作成インプレ

 カーボンバージョンを作成してみました。まず機体の精度ですが基本的によくできています。主翼の角カンザシもきつすぎず緩すぎずといったところです。胴体と主翼もぴったりです。エレベーターの丸カーボンカンザシはそのままでは垂直尾翼の孔にも水平尾翼にも入りませんが、これには理由があると考えています。構造的に垂直尾翼の幅だけで保持されたカンザシを介して水平尾翼が胴体に固定される(フルフライング時代の名残)ため、緩い方に公差が振れると水平尾翼がグラグラしてしまいます。 自分でタイトに嵌る様調節してくれという事でしょう。あとはラダーヒンジが硬く左に切れにくい程度です。ラダーヒンジは内側からサンディングするか、私は割り切って舵角少な目にしました。

エレベーターは通常型になりましたがこれもフルフライング時代の名残でベルクランクを介していますので、エレベーターサーボホーンはグライダーにしては異例に長いものが要ります。付属のサーボボードの位置では舵角が取れませんので写真の様にオフセットさせたボードを作る方がスマートです。

メカの搭載は、機首からバッテリー、サーボ、受信機として、受信機は主翼間の胴体に入れました。アンテナはあらかじめ胴体の底のカーボンロービングから外れた部分にノイズレスパイプを接着し、1本はこれに通しもう一本は縦にサーボボードを貫いたノイズレスパイプに通します。サーボボードの後ろにフタバ一軸ジャイロをマウントしています。こうすると付属のバラストチューブが使えなくなります。しかしevoではカンザシボックスの後ろに片翼10x20x150mmサイズのバラストチャンバーが付きました。真鍮をつかうとフルバラストで500g弱載せられますので主翼負荷の増える胴体にわざわざバラストを載せる必要はもう無い様に思います。5x20mmの板か、10×10の角棒でバラストを作るのが良いと思います。

Tomcatはキャノピー式ですので、どうしても開口部が弱くなります。作例の機体では1×6mmカーボンとグラステープをカンザシ前方から機首まで胴体サイドにエポキシ5052(24時間型)で貼り込んで、さらに機首はOKの1mm粒鉛を5052で固めてバラスト兼機首補強としました。これでも手が入らない部分の補強は難しいので別注バージョンはメーカーであらかじめKevlar貼り込みをしてもらっています。補強というのは重量増加もさることながら一部を強くすればまた別の部分にしわ寄せがいってある意味キリがないものですが東欧のF3F機では桁違いに丈夫な構造となっており、Tomcatも最初からもう少し補強は入れて丁度良い様に思います。

主翼のリンケージはオーソドックスな方法で特に難しいところはありませんでした。付属のクレビスはまあまのものですがガタはあるので動翼側はネジロックでガタを取り、サーボ側はアルミホーンにボールリンクとしました。ボールリンクは、リンクとサーボ軸の干渉が無いのが気楽です。RCRCMは2m機から3m機までまったく同じエルロン、フラップホーンが同封されていてサイズ的には若干心許ない気がします。エポキシまたはセメダインメタルロックにカーボンチョップを混ぜたものを充填してしっかり動翼に接着する必要があります。本国サイトに作例が載っています(ほかの機体の写真も交じっていて若干紛らわしいです。色から見るとSansibear版でしょうか)。ホーンの孔にピアノ線を通して、動翼のシャッター付け根ラインにピアノ線を合わせて位置決めする様にとの事ですがちょっとヒンジ線からの距離が不足する気がします。私はボール紙のスペーサーをかませてこれより1mm程突出する様にしました。こうすると主翼側のフードにクレビスが干渉しますので、その部分はすこし削ります。いっそフードは一部削り取る事にして、もっとしっかりしたホーンを自作しても良いかもしれません。

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胴体が、E-Jarvisと比べても一回り太くなっています。さらに主翼間にハッチがありここにサーボを詰めば受信機をカンザシの前に入れて、写真の様に4Cell 2200mAhが余裕で入るので80A級のアンプをその後ろに積む事も可能になります。5Cellでも詰めますね。主翼取り付け部~テールにKevlar層を追加してあるので重心合わせのためにも大き目のバッテリーで丁度良いと思います。胴体の余裕を生かして、最初からハッチ~ノーズもKevlarかグラスを貼り込んで補強するのも良いかもしれません。厚手のKevlarなどで補強した場合、いくらカーボン層は無いとしてもアンテナは外に出した方が無難と思います。

E Tomcat evo 黄色、黒

E Tomcat evo カーボン仕様、胴体Kevlar補強バージョン。 Jarvisとの違いは胴体が若干トムキャットの方が太くさらに主翼間にハッチがありここにエレベータ、ラダーサーボを搭載可能です。その前の主翼間に受信機を入れると前部ハッチはがら空きとなるのでモーターと4Cellバッテリー、アンプが楽々搭載できます。前方ハッチから前はグラス仕様となっているため2.4GHz対応です。とは言え、安全の為には少なくとも1本のアンテナは外だしした方が良い様に思います。 写真にはありませんが、主翼配線用の6ピンのハーネスとアルミ蒸着ウイング、胴体カバーが付属します。モーターはアウトランナーなら35mm径が入ります。配線は隙間を這わせるのはギリギリ出来そうですが安全の為には外を経由した方が良いと思います。真下は着陸で擦るので斜め下辺りを経由させればあまり目立ちません。ターニーのグライダードライブも入ります。(グライダードライブSK3はもしかすると廃番になったかもしれません。ホビーキング様のサイトからも消えてしまいました)。

モーターグライダーですが、正直申し上げて平地でサーマルを捉えて滞空するのはあまり期待できません。平地ではモーターで高度を取って、ダイブさせて遊ぶ感じです。スロープでは無風時の暇つぶしか、風下に流れたり、高度を失った時のレスキュー用のモーターとお考えください。スロープでモーター付きは、グライダー原理主義の立場からは軟弱と思われるかもしれませんが、事実上デメリットは何も無いです。リポ禁止のフィールドでは、大き目のLifeバッテリーとバラスト少し積めばピュア機と特にそん色なく飛びます。胴体を細くするのは空力効果が少なく、胴体の剛性が下がる割にメカ積みが飛躍的に厳しくなるので行き過ぎは考え物です。10年ぐらい前の機体をみるとどれもまだ常識的なスペースを持っており、このE-Tomcatは今時あまりない十分なメカ積みスペースを持ちます。スペースを生かして、ハッチ部の内側にKevlarをエポキシ5052で貼り込むのも良いと思います。クリアファイルでKevlar層をカバーして、ハッチ内のスペースにプチプチをぎっしり詰め込んでマスキングテープで胴体ごとぐるぐる巻きにして一日置くと綺麗に貼り込めます。

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